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考える力をつけることは将来に必要なことです

考える力

考える力

今回は、「考える力」について考えてみたいと思います。学習面において考える力はとても重要です。ただし「考える」ということをどのような視点で見ていくかで、勉強の仕方が変わってしまい学力に繋がらくなることも考えられます。そんな「考える力」を掘り下げてみたいと思います。

 

1.社会人になると自分で考えることが求められるのに勉強では覚えることを求められる?

 

社会人になった時に会社や上司から新入社員は、何を求められるでしょうか?恐らく企業が抱えている問題をどのように解決していくかを求められるのではないかと思います。「考える」ことを求められ解決できる社員が評価されるのではないでしょうか?

 

・野球は頭を使う競技なのに、そうじゃなくなってきている…

 

元メジャーリーガーのイチローさんが、野球は頭を使う競技なのに、そうじゃなくなってきているのが、気持ちが悪いと引退会見で言っていました。データに基づいてプレーするのが当たり前になっているそうです。選手たちは、相手の様子は見ているとは思いますが、データを事前に収集することでプレー中に極力考えることなくプレーしているのです。要は、考えなくなっているということです。

 

ピッチャーはバッターのデータを把握しているので、データ通りに投げれば良いのです。バッターもピッチャーのデータがわかっているのでデータ通りに打てば良いのです。

 

守備もバッターのデータがわかっているので、アウトの確率がより高い守備位置にいれば良い。自分で考えてプレーするのではなく、どうしてそうなるのか、どうしてそうするのかは関係なく、プレー前に与えられた公式通りに問題を解いていけばいいのです。

 

将棋や囲碁には定石がありますが、定石は長い経験の中で得られた知識であり、どうしてそれが勝利に結びつくのかは当たり前であるはずですが、理由はどうあれ定石を覚える打ち方は、AIが莫大なデータから勝利する確率が高い打ち方を導き出すのに似ています。

 

・言われた通りをやるだけの人には、学びがなく成長もありません。

 

先程、社会人になったら何を求められているのかを説明をしましたが、スポーツなどでもデータに基づいてデータ通りに動くことが求められています。「考える力」を求められる一方で、スポーツ界では導き出した方法を覚え身に付け、どうして正解が出るのかわからなくても正解を出し続けることを求められます。そのような状況なのか、子どもにもそのようなことを求める傾向があるように感じますし、実際にそのような子どもが増えている気がします。方法を覚えてその通りに訓練をする事が勉強と勘違いしている人が多くなっているような気がします。野球でデータを重視している状況を見ていると世の中が、そのような流れになっているのかもしれません。ただ社会では、言われた事を言われた通りにやれる人は求められていません。言われた通りをやるだけの人には、学びがなく成長もありません。イレギュラーが発生した時に対応が出来なくなります。

 

演習問題を解くときも同じだと思います。公式だけを覚えて暗記することが問題を解けると誤解している人が多いですが、何故そうなるのか?と理由まで理解が出来ていないと、応用問題で解答することができません。目的と理由まで考えられて公式を使うことで解答ができるようになるのです。与えられたものに頼らず、自分で見たものを考えていくことが、子ども達の将来に繋がると思います。

 

2.考えることが勉強だとならないのは、親の世代の勉強の仕方が問題!?

 

・答えを出そうとする子供は、÷2が半分だと理解せずに答えを出そうとします。

 

勉強に必要な事が「考えること」とならないのは、保護者世代からの受験に対しての考え方にあると考えています。受験に合格して良い会社に入る。その為に点数を取るという手段を重要視する暗記世代で今、重要視されている「考えて解答する」という勉強の仕方と違うことが原因としてあります。分かりやすい例をひとつあげましょう。300÷2という計算が合った場合に÷2は半分だと理解できると思いますが、覚えて答えを出そうとする子どもは、半分と認識せずにひっ算を使って解答をしようとします。誰もが当たり前だと思われるかもしれませんが、現実として÷2が半分だと理解せずに答えを出そうとしている子供はいます。

 

・力が備わらないのは、社会の変化に教育が追い付いていないから…

 

そうなると100÷2でも10÷2でも計算をして解答をしてしまいます。手段と目的を理解出来ていないと、このような事が起こってしまいます。社会は変化をしています。その変化に教育が追い付いていない事も原因としてあると思います。何のために勉強をしているのか?目的を見失ってしまうと将来、社会で路頭に迷ってしまうことになると思います。

大人が理解して子どもに接しなければ、「考える力」は備わっていきません。

 

3.志望校選びも考えることが大切!

 

・良い学校の定義とは?その判断基準も考えることが大切です。

 

志望校選びも同様です。将来良い会社に入る手段として志望校選びをしていくと子どもが本当にやりたいことと違う志望校へ進学して、やりたくもないことをやらされているだけになってしまい社会に出ても考えて仕事をする能力が不足してしまいます。以前の記事でも書きましたが良い学校の定義を考えるにあたり、その判断基準として将来の夢を持つことが非常に大切になってきます。将来の夢について考える、夢の実現のために必要な (やるべき)ことを考える、いつまでにそれをやるべきかを考える。目印に向って前に進むことが出来れば、ぶれずにその夢に向かって進むことが出来ます。また自分自身を知ることも大切です。

 

・目標・目的を見失った志望校の判断基準は危険!?

 

例えば東大に入りたいと目標にした場合、難関私立校に入るという選択肢だけが答えではないと思います。実力や性格を考慮して自分の実力を引き出してくれる学校があればランクを少し落とした方が良い場合もあります。目標・目的を見失って「偏差値が高い学校」「大学の合格実績が良い学校」だけを志望校の基準にしてしまうと目標へのプロセスが間違っていたことにもなりかねません。志望校選びも同じで「考える力」が必要です。社会人になれば毎日、タスクが課され、そのタスクを考えて解決することが求められます。勉強・志望校選びでもそのようなシチュエーションがあります。勉強の取り組み方も考え方ひとつで答えだけを求めるのか、考えて本質を理解するかで人生も変わってきます。どの道を選ぶかで将来も変わってくると思います。日頃から「考える力」を養っていきましょう。

 

参考サイト:良い学校に入る!良い学校って何?

 

 

4.最後に

いぶき学院では、いぶき教育セミナーという保護者との勉強会を実施しています。

下記は、その一例です。

 

テーマ「覚えればできるは禁句」

 

今回のテーマは「覚えればできるは禁句」、意味が解らないのに丸暗記をして得点をとるやり方は、先々“学習崩壊”を招きかねません。その場では良い結果を得られるかもしれませんが、長い期間を考えると良いことはありません。丸暗記をせず考えればできることはたくさんあります。丸暗記をしないで結果を出した卒塾生の話も聞いていただきます。そして、どのように指導すれば良いかも具体的にお話しいたします。公式を覚えてはいけない算数、数学として…「速さ」、「割合」、「おうぎ方」、「面積」、「体積」等があります。算数、数学嫌いが解消されるかもしれません。

目の前のことや自分のことしか考えられない世の中で、子供たちがまだ見ぬ未来に夢を描き、社会全体を見て物事を考え判断できるようになることを望みます。

 

いぶき学院は勉強を媒体とした人間教育の場です。人間的成長、塾生の“自律”が目的であり、そのための受験勉強や進学のための勉強であると考えています。

我々は普段子供達に対して次のような事を踏まえて指導をしています。

①ものの見方考え方、②自分自身の大切さ、③他人のありがたさ、④自己成長、

⑤未来の創造。

 

これらは、子供たちが親から独り立ちしていく際に身に付けて欲しいことです。現代、そして未来を生きる子供達が、社会構造や大人達に振り回されず、自分自身と向き合い成長することを願っています。そして、いつか親となり、いぶき学院で学んだことを活かして子を育み、その子供たちが大人になった時に豊かな社会を築くことができると確信しています。

長く塾をやっていると、大人となった塾生と再会することがあります。その時に、思っていた通りに成長している姿を見ると嬉しくなります。

 

「教育セミナー」では、大人(親)に子供たちの事や教育の現状を理解していただくことで、子供たちの人間的成長を後押しし、子供たちの未来がより素晴らしいものとなるよう共に協力していくことを目的としています。

 

世の中で、子供たちがまだ見ぬ未来に夢を描き、社会全体を見て物事を考え判断できるようになっていけることを私は望みます。

 このセミナーが少しでも子供たちの役に立つことができればうれしい限りです。

 

 

Ⅰ 親の時代と子の時代

①親の時代「覚えれば(暗記すれば)できる」、「理科社会は暗記教科」という時代

バブル崩壊は平成3から5年にかけて、今から25年前です。中学3年生時にバブルが崩壊した人たちは現在40歳前後になっている計算です。それまでは『幸せ方程式』の時期に当たり、有名高校→有名大学→一流企業→年功序列賃金制+終身雇用です。

子供の人数も多く、入学試験は知識系+記号問題という時代でした。したがって暗記すればできる問題が多く、記述式の問題は稀でした。理由を聞かれることがないわけですから、わからなくても答え(記号)を書くことができます。

 

②子の時代…「見て読んで考えて解く」、「独創的な発想重視」の時代

バブル崩壊後、「企業が面倒を見るのではなく、企業の面倒を見る人材」を求めるようになります。ところが大学入試では、バブルがはじける寸前の平成2年からセンター試験が知識型の試験として導入され現在まで継続して行われています。

その後、公立の中高一貫校が適性検査型入試を始め、思考型の試験が登場してきます。さらに東京都立高校入試でも記述問題が増加、都立高校の入試には集団討論が義務付けられ、他人の話を聞いて自分の意見を伝える力が試されています。2020年にはセンター試験が廃止され新しい大学入試制度が始まります。社会情勢に20年以上遅れて大学入試制度が変わります。「覚えれば(暗記すれば)できる」入試は無くなっていき、「覚えればできる」という人を企業は欲していません。

 

③今でも暗記型学習が継続されている…もちろん親の時代でも暗記型の学習をして

いなかった人もいますが、親の時代は暗記型の学習が通用した時代であったということです。

ですから保護者様から「覚えれば(暗記すれば)できる」という声が聞こえてくるのは無理がありません。むしろそれが普通だった時代ということが言えます。

しかし、暗記型学習は学力を伸ばすことができないということを認識する必要があります。高校生や大学生がアルバイトをするとそこにマニュアルがあり、マニュアル通りに仕事を行うことになります。ところがそこには理由が書いてありません。マニュアルは手順の指示書であるため理由は不要なのです。しかもマニュアル通り仕事をしなければ、企業にとって大切な改善ができないのです。

 

Ⅱ やる気は内的要因から

何のために勉強をするのでしょうか?

それをつき詰めていくとどうなるでしょうか?

 

Ⅲ 人は教わるからできなくなる

1.ケーススタディ

【Aさん】小5~小6

小学生のAさんは、学習塾を転々として、いぶき学院が4つ目の塾。平均在籍期間は約5か月で、退塾理由は何かと言うと全て「教えてくれないから」だった。やる気はあるし勉強もしている。「分からないところがあるから教えて欲しい」と言っても塾は教えてくれない」とのこと。話を聞いていると、全てを教えて欲しいと言っているAさんに対して、塾側は精一杯対処していると思ったが、Aさんは不十分に感じていたようだ。

Aさんは「いくら頑張って勉強してもできるようにならない」と言う。Aさんの勉強は“やり方を覚える”勉強だったのだ。全ての問題の解き方を覚えることはできないこと、問題の解き方は全て同じであることを伝え、「いぶき学院は教えません」という話をした。その結果、入塾となり1年半の間いぶき学院で勉強することになる。

Aさんの指導を始めて分かった事は、自分の意見を書くことはできるが、問題文を読むことができないということだ。だから、良いことを書くが的外れの解答になることも少なくなかった。算数でも解答を出すことが第一となり、問題文の読み込みが甘いことができない原因の1つだった。

 

上記のようなテーマで子どもの教育を保護者と一緒に考えています。このような考え方で子ども達の未来を明るいものにしていきたいと考えています。

 

お子さまの将来を一緒に考えたいと思われている保護者様はお気軽にご相談ください。
学習のことを考える前に目標設計をしていきましょう。

 

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