学校や学習塾の個人面談。試験の得点一覧表とグラフを見せられ、良い結果と悪い結果があるにもかかわらず、どうしても悪い方に目が行ってしまう。
「英語が下がってきています。このままではまずいです。」
「英語の勉強を頑張るようにしてください。」と言われ、「はい、頑張ります。」となる。
その時はまずいと思い少しやる気になるかもしれない。そして、「よし、勉強するぞ!」と思い勉強を始めようとするのだが・・・。
苦手教科で、解らなくなっている。そもそも勉強の仕方がわからない。
とりあえず、「問題でも解くか。」と問題集を開いても、やる気にならない、続かない、わからないの3重苦。
『勉強をすること=問題を解くこと』と考えている人はいませんか?
修学旅行の下調べ。誰でも中学3年生になるとやることの1つだ。
清水寺について調べる。色々なものを見て自分なりにまとめてレポートを作成する。すると、清水寺については詳しくなりませんでしたか?友達に説明できるようになりませんでしたか?清水寺の問題集を解きましたか?
問題を解かなくても清水寺についてはわかるようになるはずだ。
私の知っているM君は中学生の時、一番得意だった理科は問題を1問も解かずに試験を受けたことが何度もあった。教科書や参考書を自分でまとめ、それを理解することで手一杯だったからだ。それでも90点はいつも超えていた。もちろん、問題演習をしてから試験を受けた時の方ができは良かったようだ。それは理解が深まったことと、何より大きかったのは知識の抜けのチェックになったからだ。
問題を解く目的は時と場合によって変化する。①基礎学力の定着:基本的な考え方、基礎知識を身に付ける、②定着のチェック:基礎知識に抜けはないか、確実に理解しているかを確認する。③学力をつける:身に付けた知識や考え方を利用して少し難しい問題にチャレンジする。
理科や社会は基礎知識を学ぶことだ。まず、教科書と学校のノートやプリントから大切なことをまとめてみることから始める。そして、そのまとめを“見ないで言える(説明できる)ようにする”のだ。
気を付けたいことは、丸暗記ではなく理由を考え理解するということである。
わからないのに問題を解き始めることは危険なことで、最悪なパターンは、「よくわかっていないのに問題集を広げる→いくら考えてもわからない→解答を広げて答を赤ペンで書く→赤ペンで書いた答を暗記していく」ことだ。いくらやる気になっても、学力はつかない。せっかく覚えた語句が試験に出題されても理解していないので「書けなかった」となることもある。
英語や数学は問題演習から始めて良いと考えますが、教科書や問題集に載っている説明通りにやって、“問題をこなす”学習では学力がつきません。
基本問題こそ丁寧に理由を考えて解いていくことが大切だ。簡単な問題で難しい問題を解く練習をしているからだ。問題演習により理解を深めていくのである。
学力をつけるために難問を解くことは有効ではあるが、答を出すことを第一とすると、解き方を重視しがちになるので注意が必要だ。解き方は問題によってことなるが、考え方は全て同じである。答を出すことより、答を出すまでの、〔①問題に書いてある事の整理する、②そこからわかる事を考える、③何がわかれば解けるのかを考える〕ことが大切だ。正解を出すことより、そこにたどり着くまでの過程が学力を伸ばすのだ。
問題を解くことは学ぶことの1つの方法で、何のために問題を解くのかがわかって、初めて問題集を活用できるのである。