保護者の方へお伝えしたいこと
中学受験が当たり前になったこの地域では、「受験するかどうか」を迷うこと自体に、不安を感じる方も多いと思います。
周りはみんな受験をしている。
やらなければ不利になるのではないか。
ここまで頑張ってきたのに、やめてしまっていいのか。
こうした思いの中で、判断が難しくなっているご家庭は少なくありません。
ただ、最初にお伝えしておきたいことがあります。中学受験に「正解」はありません。あるのは、その子にとっての選択だけです。
■ 中学受験に向いている子は、決して多くありません
中学受験では、多くの学習量、速い進度、競争環境への適応が求められます。
これは努力だけで乗り越えられるものではなく、その子の性格や発達段階によって、向き不向きが大きく分かれます。
最後まで前向きに取り組める子は、実はそれほど多くありません。
無理をして続けた結果、学力以上に「学ぶことそのものへの意欲」を失ってしまうこともあります。
■ やめるという選択について
中学受験をやめることに対して、「ここまでやってきたのに」という思いを抱くのは自然なことです。
ただ、やめるという判断は、これまでの努力を否定するものではありません。
その時点での最善を尽くしたうえで、その子に合った道へ進むための選択とも言えます。
環境が変わることで、子どもが再び前向きに学び始めることは、決して珍しくありません。
■ 塾との相性について
大手の中学受験塾は、一定の条件に合う子にとっては非常に優れた環境です。
一方で、すべての子にとって最適とは限りません。
授業の進み方や求められるペースが合わない場合、理解が追いつかないまま進んでしまうこともあります。
それは能力の問題ではなく、環境との相性の問題です。
■ 学び方が整っているかどうか
中学受験に限らず、学力を伸ばすうえで最も大切なのは、学び方です。
分からないことに向き合えるか、考える時間を持てているか、理解しようとする姿勢があるか
こうした土台が整っていないまま、量だけを増やしても、思うような結果にはつながりません。
■ 「受験しないと不利か」という問い
中学受験をしないことに対して、不安を感じる方も多いと思います。
しかし、進路は一つではありません。
公立中学から高校受験を経て成長する子もいれば、別の形で自分の道を見つけていく子もいます。
大切なのは、どのルートが優れているかではなく、その子が前向きに取り組めるかどうかです。
■ 親子関係について
中学受験の過程で、親子関係が変わってしまうことがあります。
会話が勉強のことに偏り、お互いに余裕を失ってしまう。
これは特別なことではなく、多くのご家庭で起こり得ることです。
ただ、受験は親子関係を犠牲にしてまで続けるものではありません。
■ 迷ったときに考えてほしいこと
続けるかどうか迷ったときには、次のような点を見てみてください。
子ども自身が学ぼうとしているか
家庭の中に無理が生じていないか
この先の見通しが持てているか
一つひとつ整理していくことで、見えてくるものがあります。
■ 偏差値ではなく、学び方を見る
偏差値は一つの指標ではありますが、それだけで子どもを判断することはできません。
それよりも、どのように学んでいるかを見ることの方が大切です。
自分で考える力は、どの進路を選んでも必要になる力です。
■ 最後に
中学受験は、人生の中の一つの通過点に過ぎません。
その選択が、子どもにとって前向きなものであるかどうか。
そこを大切にしていただきたいと思います。
■ 学院長より
中学受験のご相談を受けていると、「どうすれば正解なのか」を求めていらっしゃる保護者の方が多くいらっしゃいます。
ただ、子どもの成長において、一つの正解があるわけではありません。
だからこそ私は、結果よりも、その子がこれから先も前向きに学び続けられるかどうかを、一番大切に考えています。
この地域では、中学受験を選ぶご家庭が多く、その流れの中で判断が難しくなることもあると思います。
ただ、「周りの子が受験するから」という理由だけで、中学受験の厳しい学びに向き合い続けることは、簡単なことではありません。
また、十分に納得しないまま受験に進んでしまうと、その結果を受け止めることが、お子さまにとって大きな負担になる場合もあります。
友達が受験をするかどうかではなく、その子にとって中学受験が合っているのか、あるいは高校受験という道の方が良いのか。
それを冷静に見つめることが、将来にとって大切な判断になると考えています。
迷われたときには、一度立ち止まって整理する時間を持つことも、大切な選択の一つだと思います。
いぶき学院
学院長 鈴木正之
