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伸びる学習法! その2「途中式を書く:Y君編」

忘れられない子はたくさんいるが、その中で中学校の数学の定期試験で100点を年間4回取ったY君もその1人だ。

Y君は中学1年生の時に入塾した。特に勉強が特別にできるという印象はなかった。ただ、きちんとしている子であった。

そして、Y君は中2、中3と学力を確実につけ地元のトップの公立高校に合格することになる。

私は数学の計算をまず徹底して指導する。「文章題や関数、図形ができないのは計算ができない」と考えているのも1つの理由だ。誰よりも沢山、ベストの考え方(やり方ではない)で計算する。それによって強力な計算力がつく。計算力がつけば、文章題も関数も図形の問題も式さえ作ることができれば正解は目の前にある。

式を書かなくても答がわかってしまう問題こそ、きちんと式を書くことが重要と考えている。基本的な簡単な計算練習の繰り返しが、複雑な難易度が高い計算を早く正確に解くことにつながるからだ。

Y君は定規で分数の線を引き、イコールをきっちりそろえて、途中式を抜かさない。誰よりも途中計算が多い。最初は丁寧に書く分、みんなより遅れがちではあったが、中2にもなると、丁寧に途中式を書いても誰よりも早くなった。そして、100点を4回取ってきたのだ。

そして、彼のノートからは中3の後半になると途中式が消えていった。途中式をそんなに多く書かなくても問題なく計算できるようになっていたからだ。難問への対応、試験時間内で正解を出すことに成功した。

途中式を書かなくてもできる子は、そのプロセスをしっかり身に付けている。それを見て、理解の浅い子が途中式を書かなくていいと勘違いする場合がある。

しかし、すらすらできる子は、誰も見ていないところで努力をしているものである。勉強に限らずスポーツや他の世界でも、基本を丁寧に繰り返した者が一流になっている。

誰にも負けない途中式が強力な計算力を生むと思う。

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