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都立高校願書提出と願書取り下げ
都立高校の願書提出が間近です。2月に入ればどこの都立高校に願書を出すかは決めている人が多いでしょう。もちろん自分の志望校を持ち、そこに合格するために頑張ってきたのだから当然と言えば当然のことです。
しかし、ここに来て迷うことも、願書取り下げの事を考えることも当然のことです。
都立の願書はどこに出すのか?
第一志望の都立高校が安全圏であるならば迷いはないでしょう。
迷いが生じるのは安全圏でない場合と「絶対都立に合格する」と考えている場合になるはずです。
そこに、微妙に“都立高校の願書取り下げ”が絡んできます。
「とりあえず願書を出して倍率を見て取り下げよう」とお考えの場合、一旦出した願書を取り下げるという行動は本当にできるのでしょうか。
願書を出すという行為は、取り下げを念頭に置いているとしても、「この高校を受験するために頑張ってきた」と意を決した行動です。本当に割り切っていない人は、取り下げることができずにそのまま受験となる事があります。その場合は不合格の確率が高まるのは間違いありません。なぜなら、初めから「無理かもしれない」、「受かるかもしれない」という合格確率の人達が、「まず(とりあえず)出してみよう」と出願したからです。
「取り下げができるから、第一志望の高校に願書を出そう」は危険なのです。一旦出したら人は心の奥にある「受かるかもしれない」が出てくるからです。そして「無理かもしれないけど折角頑張ってきたのだから」と当初の「倍率次第で取り下げよう」という考えがどこかに行ってしまう事があります。
都立高校の合否は学校の成績(内申点)で30%が決まります。たかが30%かもしれません。その2倍以上の70%は「やってみないとわからない」のですから。
ところがそのやってみないとわからないところに落とし穴があります。
模擬テストでの偏差値を見てみましょう。大きく変化していない人が、突然当日良くできる確率はどれだけありますか。大きく変化している人が、たまたま良い出来にぶつかる確率はどのくらいありますか。「やってみないとわからない」は不確定要素であり大きなリスクがそこにある事を忘れてはいけません。
第一志望の都立A高校は安全圏ではない場合、「絶対都立に行く」と考えている人は志望校を安全圏のB高校で出すことが良いと私は思います。「受かるかもしれない」A高校を受験して不合格は避けたいからです。1ランク下げてB高校に合格し、「1ランク下げなくてもA高校に受かった」という結果を目指してもよいのではないでしょうか。ただし、B高校を受験してA高校でも合格できる得点を取って合格した場合、悔いが残るのならA高校を受験してください。その場合A高校を不合格となった時に、後悔することは絶対許されません。「絶対都立に行きたい」人が「受かるかもしれない」A高校を受験することは大きなかけです。その場合は「絶対都立高校へ行きたい」ではなく、「第一志望がA高校」で、たまたま都立だったケースとなります。その場合は併願する私立高校で3年間頑張れる覚悟を決めて、A高校へ願書を出すことになるでしょう。
志望校が合格圏ギリギリの場合は悩みどころです。少なくとも都立高校受験は、都立高校に合格したいのか、合格したい高校が都立高校だったのかによって、願書を提出する高校決定のポイントとなるでしょう。
願書取り下げを考えて願書を出す人は、上位ランクのA高校にまず願書を出すことが基本です。まず下位ランクのB高校に出して、上位のA高校の倍率が低いという理由からA高校に再提出をするのは極めて危険です。それは、A高校に願書を出している人の方が高学力だからです。ただし、倍率が確実に1.00倍を切るのならそれでも合格となりますが、中位から上位の都立高校ではそれは考えにくいことです。
倍率1.00倍を切ると、いわゆる“全入”となります。しかし、入れたとしても本当にその人が3年間頑張れる学校かどうかは別モノです。高校は義務教育ではありません。必ず卒業できるとは限らないからです。どうしても目の前の合否が気になるのはわかりますが、大切なのは合格した後である事を忘れずにいてください。合格することは何のためかを良く考えることです。
願書は取り下げない事にこしたことは有りません。取り下げないで済むように、まず出すことが第一です。
ただし、ほとんど合格の可能性が無い場合は取り下げ再提出です。また、確実に合格するために低倍率の高校に(ランクを下げて)出し直すことはOKです。
悔いのない高校受験をするために、最後の決断が重要なのです。4月にどんな制服を着るのかはわかりませんが、入学する学校がその人にとって最も良い学校になるのです。
こちらでもご覧いただけます。
都立高校推薦入試はするべきか?私立推薦入試の落とし穴!
志望校を変更する勇気「都立高校の願書取り下げ」
さあ、都立高校の一般入試の願書が出されて倍率が発表になりました。
私は、「絶対に行きたい高校」と「絶対に受かる高校」を受験するように指導しています。
いぶき学院は、合格実績を稼ぐために行きたくない上位の高校を受けさせることは一切しません。成績と学力を上げて、行きたい高校を受験してもらいます。
ただ、学校の成績と模擬テストのデータから計算して出した数値が、1000点満点(内申点300点+偏差値による得点予想700点)で-100点と言うことになれば、倍率が1.00倍を切るかそれに近い状況でない限りまず合格はありません。-30点でも合格確率は40%に満たないでしょう。合格基準点ちょうどでも合格確率は60%です。合格圏に入っていてもほぼ五分五分の勝負です。
「絶対に都立高校に行く。私立高校は行かない。」と決めている場合は、安全策を取るべきでしょう。
問題は、「本当は都立に行きたいけど、不合格ならば私立に行くことも有り」というケース。合格基準に20点ほど足りなく、倍率も2倍前後。
「ひょっとすると受かるかもしれない」とか「受験はやってみなければわからない」という考えかたもあります。勝負に出て実際に受かったケースもあります。ただ、そのようなケースは稀であると考えてください。不合格となった場合に「受けなければよかった」となるならば無理をして受けてはいけません。
それでも受けるならば、①家族会議で私立を覚悟すること、②あと2週間を、かつて経験したこともないような学習をする。これでだめならスッパリと気持ちよく私立で頑張ると切り替えられるようにする。もちろん合格できればOK。
合格の可能性が薄いA高校。1つ下げて受かる可能性があるB高校。2つ下げると絶対受かると思われるC高校。第一志望はA高校。
一番楽な決断は、A高校を受験して不合格なら私立高校。
一番辛いのは、1つ下げてB高校を受験すること。A高校ならば不合格でも言い訳ができる。「やっぱり難しかった」と。ひょっとしたら「良く挑戦したね」と褒められるかもしれない。
しかし、B高校にすると合格が大前提。不合格したら言い訳ができない。「困難なA高校にチャレンジせずにB高校に不合格?」と言うことになる。
だから、猛勉強をして、B高校に合格するのです。そして「これならばA高校できたかもしれないね。」という結果を出すのです。
“受けることより、変更することの方が勇気がいるのです”
一見、無理だと思うことに挑戦することは、かっこ良く見えるかもしれませんが、むしろ空しさが残りませんか。
数年前、小山台高校志望の子が提出前に相談しに来て、三田高校にすると言ってきました。絶対に小山台と言うことでもなかったようで、三田に願書を出して受験しました。結果は合格。本人も家族も納得しています。高校生になってからも頑張って勉強していました。小山台から三田へ変更したことは、カッコ悪いことですか。むしろ小山台に挑戦して不合格の方が嫌ではありませんか。その子は小山台の合格圏に入っていました。
人は、「無理だと思ったら夢は叶いません」、「無理と言われても、夢を追い求めれば必ず叶います」
ただし、これは都立高校受験なんです。内申で30%決まっている中で、色々なデータを鑑みて結果がかなりの確率で見えるのです。計算上、受験前に合格100%、0%ということもあるのです。失敗したら来年(浪人)が無いのが高校入試です。
とにかく、後2週間、体調を管理しながら猛勉強をして、その結果入った高校ならば、あなたにとって最高の高校になります。そこで3年間充実した日々を送り次の目標目指して進んでいくことです。
大切なのは“努力をしないで結果を求めない”、“合格通知より卒業証書”という事を肝に銘じてください。
都立高校、願書取り下げ「真の勇気とは」
都立高校受験では「願書取下げ」と言う変な制度がある。A高校に「入れてください」と受験を希望し願書を提出しておきながら、倍率を見て「やっぱりやめます」と入りやすいB高校に変更するのだ。
都立高校の受験日は1日だけ、つまり1校しか受験できない。したがって、どこを受けるかという高校の選択は極めて重要である。
行きたい高校を目指して勉強してきて、その結果、学校の成績と模試の結果を参考に高校を選ぶ。高校受験は、行きたい高校と絶対に受かる高校を受けるのが基本。原則、浪人の無い高校受験だから、絶対合格できる高校を受ける必要がある。
第一志望が都立高校の場合3つのケースに分けて、志望校選択を考えたてみた。便宜上、合格が困難な順にA高校、B高校、C高校、D高校とさせていただく。架空の彼の合格確率(模擬テストによる)を次の様に設定する。※A高校…5%以下、B高校…40%、C高校…60%、D高校…80%以上
①都立ならどこでも良い。何が何でも都立。都立しか行かない。私立へは絶対行かない。(私立は受けない)
→高校生になることが重要と考え受験校はD高校。
②都立ならどこでも良いというわけではない。都立A高校かB高校ならOKだが、C高校やD高校には行きたくない。
→A高校を受けて不合格だと、B高校にしておけば良かったとなるならば・・・。確率40%でも厳しいが、可能性があるのでB高校。
③第一志望がたまたま都立だったということ。都立A高校しか行きたくない。もし不合格なら併願している私立高校へ行く。
→覚悟を決めていること、併願する私立高校へは説明会にも通い、自分にとって良い高校であることを認識していて、その私立へ行くことに何も問題が無いならばA高校。
④受験はやってみなければわからない。何が起こるか分からないのでA高校を受けたい。私立はできれば避けたいがA高校で勝負をしたい。
→覚悟ができていないのでC高校かD高校。受かるかもしれないという受験は、合格の可能性が低い。学校の内申点が関係ない私立高校の一般受験ならともかく、いくら30%とは言え合格の総合得点に学校の内申点が加味されていることを考えると合格は苦しい。A高校に合格できる可能性は低倍率(1倍に近い倍率、又は1倍以下)でない限りほぼ薄い。
都立高校受験は、中学校の成績(内申点)が関係するため、「やってみなければわからない」という受験ではない。ただし、倍率しだいで大チャンス。逆に倍率が高いとピンチになる。そこで、一旦願書を提出した後、倍率を見て志望校を変更するのだ。
「絶対都立」、「なるべく都立」、「私立へは行きたくない」と言う人は、もう一度内申点と模擬テストの偏差値、そして応募倍率を見て受験校の変更を検討すべきだろう。(学習塾の先生や中学校の担任の先生に相談してください。本当に困ったら私も相談に乗りますよ。)
「受かるかも知れない」、「やってみなければわからない」という受験は、都立受験では(ほとんど)通用しないということである。
負けるとわかっている勝負をすることが、真の勇気ではないと思う。
受験が人を成長させるのは、本気で合格しようと頑張った結果である。可能性が極めて低いものへのチャレンジは、どこかで逃げが生じるものだ。受験生には適正な受験校を選択し自己を極めて欲しい。それが受験生を1まわり大きくすると思う。