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【高校受験英語】長文読解の勉強法&解くコツを紹介

高校入試問題の中でも、英語は「長文読解の問題」が年々増えていると話題になっています。入試で出てくる長文読解の大問は、英語が苦手な学生にとっては、ハードルが高い問題だといえるでしょう。そこで、ここでは長文読解の問題になれるための勉強法と、解くコツを紹介していきます。英語が苦手なお子さんを持つ親御さんは、ぜひお子さんの勉強をみるときの参考にしてみてください。

高校受験における長文の重要性

英語の入試問題が変わってきています。都立高校の入試では、出題内容の7割ちかくを文章読解の問題がしめています。同じような傾向が私立高校の入試でもみられ、従来まで多かった文法問題の割合はかなり減りつつあります。長文問題が多いと、文法を知っていても、速読力や読解力がなければ時間が足りなくなってしまい、問題をすべて網羅するのは難しいでしょう。日頃から教科書や問題集に出てくる英文を読んで、読み取る力を養っておくことが大切です。

英文にふれる機会を増やそうとしている

日本の英語の学習法は、英文にふれる機会が少なすぎると問題視されていました。いくら学習塾で学ぶ人が増えたといっても、活かす機会が少ないので、英語力を伸ばすことが難しい状態にあったのです。そこで、政府は2020年4月から小学校の英語を必修化したり、中学や高校で学ぶ英単語数や文法を増やしたりする取り組みをしています。母国語である日本語は小さな頃から親しんでいて本を数えきれないくらい読むのに対し、英語にいたっては教科書しか読まないというケースも多くみられます。英語の本を1年に1冊読むか読まないかくらいの頻度では、到底英語力が身についてはいきません。英語力を上げるためにも、長文を読ませて英語にふれる機会を増やすこと、長文読解を繰り返し行うことは必要不可欠だといえます。

長文を読み取れるために必要なポイント

英語の長文を読むときは、速く読む癖をつけていく必要があります。ここでは、どのような点に気をつけながら長文を読み取っていけばよいのか、アドバイスをしていきます。下記の方法で長文問題に取り組むときは、分からないところは答え合わせのときに意味を確認し、理解できるまでトライしましょう。また、分からない単語・文法が出てきたときは、メモをしておき、繰り返しチェックすることが大切です。

1.無理に日本語の語順になおそうとしない!

長文を読むときに、英語が苦手な人ほど、日本語の語順になおして読み進めてしまう傾向が強いといえます。日本語は“主語・目的語・動詞”の順に並んでいますが、英語は“主語・動詞・目的語”の順に並んでいます。一文ずつ語順を頭の中で変えていると、時間がかなりかかってしまい、限られた時間の中で問題を解くことが難しくなってしまいます。また、受験までの期間に多くの英文にふれるためにも、語順を変えずに読み進める癖をつけていくのが望ましいでしょう。意味をとらえにくい場合は、主語・動詞・目的語・副詞等の切れ目に、スラッシュ入れながら読むと全体像を掴みやすいのでおすすめです。

2.読み飛ばす勇気が大事

「英語の文法を理解しながら読まなければならない」と意気込むと、英語に苦手意識を持ってしまいやすいといえます。一文目が理解できないと先に進めなくなってしまい、時間だけがどんどん過ぎてしまいます。英語を学習するときは、分からないところを読み飛ばす勇気が大切です。実は、長文問題を解くうえで大切なのは、分からない単語や文法があっても、前後関係から答えを導き出せるかという点にあります。

 

たとえば、有名な白雪姫のストーリーを例に挙げてみると、白雪姫が誕生するシーンでは「she had a little daughter」、“daughter”という単語が出てきます。中学校1年生の英語の授業で出てくる単語ですが耳馴染みのない言葉なので、分からないという学生も少なくありません。しかし、その直後に「called little snow-white」という表現、白雪姫が登場することで、“daughter”は娘を表しているのだろうと推測できるはずです。前後関係から何となく意味が理解できるようになれば、“daughter”は何と呼ばれていましたか、と問題に出されても答えることができるようになります。分からない単語・文法でつまずいたときに、答えを導き出せるようになるためにも、より多くの英文に触れておく必要があるでしょう。

3.アウトプットする訓練が必要

長文読解の問題を解くには、速読力をアップさせるだけでなく、アウトプットする力が求められます。インプットした内容から必要な情報を伝えられるように、アウトプットする訓練をしておくことが大事です。問題を解く時間が足りなくなるケースとして、最後まで目を通したのに答えが見つからない、ということがあります。見つからないからと、もう一度初めから読んでいては、他の問題を解く時間がなくなってしまいます。長文といっても、問いに対する答えが書いてあるのはほんの一部分です。ほとんどが問題にはいらない情報なので、関係ないところを読み飛ばす訓練をしていく必要があります。

 

前述した白雪姫のストーリーを問題に出した場合、物語のスタートから英文を載せると「Once upon a time~」、むかしむかしという文章から始まります。そして、間に3文ほど長い文章をはさみ、産まれた娘は白雪姫と名付けられましたと続きます。仮に、問題で娘が何と呼ばれていたか問われているとしたら、最初の4文は必要のない情報ということになります。長文読解の問題では、いつ・どこで・だれが・何をして・どう思ったかという情報が問われやすくなっています。普段から問題に出そうなポイントを意識して、読み進めることで、読解力を身につけられるでしょう。問題を解くときに、問われすい情報にはマーカーや記号をつけておくと、他の情報に埋もれてしまう心配がなく、見返しやすくなります。

4.何を指しているかを汲み取れるようにしておく

英語では代名詞が多く使われるので、何を指しているかが分からず、英語が苦手になってしまう人がいます。しかし、日本語でも、私・僕・自分など、同じ意味を表す代名詞は多く使われています。日本語でも英語でも、代名詞が何を指しているか理解するためには、多くの文書にふれて慣れる必要があるのです。英文をたくさん読んで、代名詞が人・動物・モノを指しているのか、主語の代わりに付けられているだけなのか見分けられるようにしましょう。

 

たとえば、英語を訳すのに苦労するケースとして、天気や時間の前につく代名詞“it”があげられます。「It is Tuesday.」は火曜日ですと訳すことができますが、“それ”とは訳していません。英語は主語を置かなければならないので、“it”を置いているのですが、訳さない単語を置く意味が分からずに苦労するケースは非常に多いといえます。本来、“it”というのは、その人が何を指しているかハッキリと分かる場面で使われます。「そのカバン可愛いね」、という風に分かりきっている事柄で扱うのですが、天気や時間も同じ括りで考えられています。同じ状況下にいるのだから、その人が”どの天気や日時を指しているのか“は誰しもが分かる事柄だろうと、”it“が用いられているのです。

長文を読み取れるために必要なポイント

長文で確実に点数が取れるようにするには…

長文読解の問題にチャレンジするときは、問題内容を先にチェックしておくことが大切です。文章を読了してから問題文を読むと、内容をすべて把握しきれなかった場合に、読み直さなくてはいけなくなります。たとえば、「彼は何で嬉しかったのか」という問題が出たときに、登場人物がたくさんいると、彼の行動を見落としてしまうケースがあるのです。問題で何を問われているかが分かれば、文章を読むときにどこに注目すれば良いのかが分かりやすくなります。先に問題を読んでみて、万が一分からない問いが出てきた場合は、サクサクと簡単に解けそうな問題から手をつけましょう。下線部の意味を答える問題や、空欄を埋める問題などは、先に手がつけやすい問題だといえます。

たくさん英文にふれて英語ならではの表現に慣れておく

長文を解いているときに、登場人物が男性なのか、女性なのか、区別がつかないことがあります。有名なクマの絵本にも使われているジャッキーという名前、実はアメリカでは女性によく使われている名前です。しかし、日本人にとっては耳馴染みがないので、“he”と“she”のどちらか当てはまるのか区別がつきにくいのです。問題が“he”や“she”で表現されていて、文章中の誰のことか分からないといった事態に陥らないように、たくさん英文に触れておく必要があるでしょう。

例題からみる解答のポイント

令和2年度(2020年度)の「都立高等学校入学者選抜 学力検査問題」では、大問4で長文読解の問題が出されました。ここでは、大問4の問1について解説していきます。過去問題については、東京都教育委員会のホームページから確認ができるので、ぜひ取り組んでみてください。

Q.ミサはそれを聞いてなぜ嬉しかったのか?

問1の質問は、下線部の「Misa was very glad to hear that.」の内容を、「Misa was very glad because ~」というカタチに直すというものです。“~”に入る部分を、ア~エの4つの中から選ぶのですが、ミサが嬉しかった理由を述べているものを選ぶ必要があります。答えを選ぶときに大切なポイントは、下線部の直前に書いている「Thank you, Misa. You always help me a lot.」という文章に気づくことです。ミサはそれを聞いて嬉しかったということは、直前に答えが書いてある可能性が高いためです。下線部の直前に「ありがとうミサ、あなたにはいつもたくさん助けられています」と言っているので、ア~エの中でミサがエレンを助けていると分かる文章が答えとなります。

 

まず、アの「She could talk with Ellen in English, and it was a good chance to speak English」は、エレンと英語で話すことができたので、英語を話すのに良い機会だったという意味になるので違います。イの「Ellen, one of the high school students from Australia, came to her school」も、ミサのいる高校にオーストラリアの高校に通うエレンがやってきたという意味になるので該当しません。ウの「Ellen was interested in Japanese culture and studying Japanese」も、エレンは日本文化に興味があって、日本語を勉強していたという意味になるため違います。最後に、エですが「she could help Ellen a lot with English at school」は、彼女は学校では英語で話しかけてエレンをたくさん助けたと言っているので、正しい内容を表しています。下線部の意味を説明するという問題は、高校入試問題ではよく見かけられるので、あせらずに前後に書かれている文章を読むようにしましょう。

例題からみる解答のポイント

英語長文でおすすめの問題集

英語の長文読解の問題を解くときにおすすめなのは、志望校のレベルに合わせた問題集です。高校入試問題は、学校ごとに特色があります。似たような問題を解いたことがないと、基礎を固めていても、実際の試験を受けるときに解き方が分からなくなる恐れがあるでしょう。問題の傾向を掴んでおくと、本番の試験でも慌てずに済みます。特に、学習教材としてつくられたテキストは、入試問題と言い回しが異なることがあります。学習教材のテキストと問題の中身はほとんど変わらないのに、言葉の表現が違うだけで難しく感じてしまうケースがあるのです。独特な問題の言い回しになれるためにも、志望校の過去問題集や、似たような問題が多く載っているテキストを選ぶようにしましょう。過去問題集のなかでも、『東京都立の過去問』(書店・インターネットで入手可能。東京都教育委員会のHPにも公表)は基礎レベルの問題なので、比較的始めやすい問題集だといえます。

今回は、高校入試における英語の長文ついて書いていきました。勉強法や解答のポイントを説明していきましたが、小手先だけで学習すると実際は身についていないといこともあります。いぶき学院では、入試に向けて理解度を確かめながら計画を立て入試へ向けてサポートしていきます。今回は、英語の内容について説明をしていきましたが、その他の教科も含めてご相談を受け付けております。まずはお気軽に下記からお問い合わせください。