品川区大井町の学習塾『いぶき学院』 駅から徒歩3分。中学受験・高校受験・定期テスト対策など学習していきます。

いぶき学院

コラム「学力をつけることと、成績を上げることは違う」

以前、「学力がついても合格できないことがある」というお話をしました。

学力を身につけ、その学力を受験本番で発揮できて初めて、合格に結びつきます。どれほど学力があっても、受験の「受け方」が悪ければ合格はできません。しかし一方で、学力がなければ受験校の選択肢は限られ、将来の可能性を狭めてしまいます。だからこそ、学力をつけることは大前提です。

今回は、「学力をつけること」と「成績を上げること」は同じではない、という点についてお話しします。

 

■日々の学習の目的

日々の学習の目的は何でしょうか。

学校のテストの点数、内申点、志望校合格――多くの場合、目先の結果に意識が向きがちです。しかし、学力が身につかない学習とは、「正解」を得ることだけを目的にした学習です。

 

■「正解」を追いかける学習の危うさ

例えば、次のような問題があります。

「ある小学校で、5年生の女子は90人で、これは5年生全体の45%にあたります。5年生の男子は何人でしょう。」

この問題に対して、「正解」を得るために、問題文を丁寧に読み、条件を整理し、考えようとする子は問題ありません。

しかし、書かれている数字を適当に使って、すぐに計算を始めてしまう子は要注意です。

また、すぐに解答を見たり、誰かに教えてもらったりすることも望ましいとは言えません。

解答を知ったうえで「なぜそうなるのか」を考え直す子は良いのですが、たまたま正解したり、教えてもらって答えにたどり着いたりして満足してしまう子は、大きな危機に直面しています。

学力は、「問題を考えること」以外では身につかない、という原則を忘れてはいけません。

たとえ正解していても、適当に解いて偶然合っていただけなら、それは本当の学力ではありません。

 

■親が答えを教えることの落とし穴

本来、子どもが考えるべき部分――つまり「問題を考えること」を、親が肩代わりしてしまうと、学力は身につきません。

「全体の45%が女子だから、学年全体は90人÷0.45で200人。

200人から女子90人を引けば男子は110人。答えは110人だよ。」

このように解いてあげることは、親切なようでいて、子どもの考える機会を奪っているに過ぎないのです。

私たち大人(親や教師)にできることは、

子どもには考える力があると信じること、

そして、たとえ「正解」にたどり着かなくても構わない、という姿勢を持つことだけです。

 

■求められているのは「正解」ではない

子どもが目先の結果ばかりを追い求めるようになる原因の多くは、大人が結果を求めすぎていることにあると、私は思います。

年功序列賃金制や終身雇用制が過去のものとなりつつある現代社会で、本当に求められているのは、「正解」を出す力ではありません。

必要なのは、問題解決能力であり、失敗から学び、何度でも挑戦し、より高みを目指せる人間です。

私は、子どもたちに「別の世界」を見せてあげたいと思っています。

そして、多くの人の力になれる人間に育ってほしい。それが、より豊かな社会につながるはずです。

 

■成績も合格も「手段」にすぎない

成績を上げること、志望校に合格することは、目的ではなく手段です。

本当の目的を達成するために、成績が上がり、学力がつき、志望校に合格する――その順序であるべきだと考えています。

そのために大切なのは、「答えを出そう」としすぎないことです。

「正解」を得ることを目的にしないからこそ、結果として「正解」にたどり着けるのです。

学院長 鈴木正之