それは、昨年の5月ごろのことでした。
一本の電話が、私のもとにかかってきたのです。発信者は、作家の高嶋哲夫先生。全国学習塾協会の理事仲間として20年来のお付き合いがある方です。
「映画を作って、それを子どもたちに見せていじめを撲滅したい」
電話口でそう語る高嶋先生の言葉に、私はすぐに引き込まれました。
さらに先生は続けます。
「全国の学習塾と私立学校が一つにまとまって、私教育の力を見せたい。教育を変えたいんだ」と。
どうやらこの構想を他のところでも話されたようですが、相手にされなかったとのこと。無謀に思える挑戦だったのかもしれません。
たしかに、先生の小説はこれまでに何本も映画化・ドラマ化されてきましたが、今回の映画は商業映画ではなく自主製作映画。
無料で全国の学習塾や学校に配布・上映する予定とのこと。収益は見込めず、製作費は持ち出し。それに、全国の学習塾や私立学校を一つにまとめようというのですから、ハードルはあまりに高い。
それでも私は、迷わずこう答えました。
「やりましょう!」
その瞬間、「いじめを考える日プロジェクト」が動き出したのです。
今では、私教育だけでなく公教育も巻き込みながら、さらに大きなうねりへと広がりつつあります。
— 続く