生意気かもしれませんが・・・授業の動画をインターネットで見てみると、解りにくい授業、学力が伸びない授業を流している動画が多く見受けられるように感じます。中には素晴らしい先生がいて、解る授業、学力が伸びるだろうなと感じる動画もありますが、その数は多くないと感じます。わかりやすく感じる内容に感じる動画もありますが、これでは学力が伸びないと思うものも少なくありません。そこでわかりやすい授業・学力が伸びる授業とは、どのような内容なのかを考えてみたいと思います。
中学2年生の一次関数を例に考えてみたいと思います。
INDEX
相手(子ども)が初めて聞く語句を使用する授業
授業で初めて聞く語句を使用すると、授業の内容が理解しにくくなることがあります。これは、相手が語句の意味を知らないために、授業内容と語句の関連が理解できず、授業全体が理解できなくなるためです。
「一次関数というのは…」と切り出した途端に子は引いてしまう。
「一次関数というのは…」とか「aは変化の割合のことで…」といきなり語句を説明すると、子どもは「知らない言葉が出てきたので、これは難しそうだ」と、授業に興味を失ってしまう可能性があります。また、語句の意味を理解していない状態では、授業内容を理解しようにも、理解できないため、内容が頭に入らなくなってしまいます。
初めて聞く語句を使用する授業をわかりやすくするには、以下の方法が挙げられます。
意味を説明してから新しい語句を伝える
「このようにグラフが増加する割合を、変化の割合と言う」のように、まず意味を説明してから新しい語句を伝えましょう。これにより、相手は語句の意味を理解した上で、新しい語句を聞くことができるため、授業内容が理解しやすくなります。
新しい語句に興味を持たせるため意味を考えさせる
「変化の割合というのは何だと思う?」のように、新しい語句に興味を持たせるため、意味を考えさせるのも効果的です。これにより、相手は自分の考えを言語化する過程で、語句の意味を理解しやすくなります。
相手が初めて聞く語句を使用する授業をわかりやすくするには、意味を説明してから新しい語句を伝える、新しい語句に興味を持たせるため意味を考えさせる、などの対策が有効です。
体系的でない授業は、理解しにくいだけでなく、学習意欲を低下させる
体系的でない授業とは、内容が断片的で、全体像が見えにくい授業です。このような授業は、理解しにくいだけでなく、学習意欲を低下させる可能性があります。
体系的でない授業の特徴
体系的でない授業には、以下の特徴が挙げられます。
・全体像が見えにくい
・内容が断片的
・関連性が見えにくい
・具体例が少ない
例えば一次関数の授業で、変域、変化の割合、グラフ、交点などが、途切れ途切れに説明されると、内容に関連性を感じられず目的や意義を理解できず、学習に集中できなくなってしまう原因にもなります。
体系的でない授業をわかりやすくするには?
体系的でない授業をわかりやすくするためには、以下の方法が挙げられます。
全体像を示す
授業の冒頭で、授業の目的や意義を明確にし、全体像を示すことが大切である。これにより、学生は授業の目的を理解し、学習に集中しやすくなる。
関連性を示す
変域、変化の割合、グラフ、交点などの関連性を示すことで、授業のつながりを明確にすることができます。これにより、子どもは授業の内容を理解しやすくなります。
覚えさせる授業はわかりにくい
いきなり「一次関数とはy=ax+bの式で表される関数です。この式をしっかり覚えておきましょう」、「変化の割合とはxの増加量分のyの増加量のことを言います。確実に覚えましょう」では、とても解りやすい授業とは言えません。
覚えさせる授業は、知識を詰め込む授業です。このような授業は、理解しにくいだけでなく、「覚えることが多くて大変だ」と感じてしまいます。
覚えさせる授業の特徴
覚えさせる授業には、以下の特徴が挙げられる。
・知識の詰め込みが中心
・理解よりも記憶を重視
・学習意欲を喚起する工夫がない
覚えさせる授業をわかりやすくする方法
対策としては、覚えさせないことです。「一次関数はy=ax+bの式で表されることは当たり前」、「変化の割合はxの増加量分のyの増加量になるのは当たり前」になれば覚える必要はありません。当たり前にするためには、一次関数の意味を理解することです。当たり前でないと覚える必要が出てくるのです。当たり前のレベルを上げることが勉強を楽にするのです。覚えさせる授業をわかりやすくするためには、なぜ?と考えて理解する必要があります。知識を詰め込むのではなく、なぜ?と考えながら理解することで、内容をより深く理解しやすくなります。
最後に
いきなり知らない語句を使っても大丈夫で、つながりのない話を聞いても問題なく、覚えなさいと言われてもそれを当たり前にできる子がいます。
それは、新しいことに対して好奇心があり興味を持ち、「それは何?」と考える癖がついている子です。
そのような子は自分で学び成長していける子です。
そのような子を育てるため、身の回りのものに疑問を持てるよう、「何だと思う」、「どうしてだと思う」、「何のためだと思う」という会話をしていくことと、子が持った疑問に向き合う姿勢(疑問に対して答えを教えるのではなく、一緒に考えたり調べさせたりすること)が大切です。