国語が得意な子は「問題をたくさん解いた子」でしょうか?
国語の読解が得意なお父さんやお母さんは、子どもの頃から問題集ばかり解いていたでしょうか。
中学入試や高校入試が近づくと、過去問を中心に演習を行うことが多くなります。
しかし、それは「国語力を伸ばすため」ではなく、**「試験に慣れるため」**の学習です。
出題傾向や設問の型を把握し、限られた時間の中で効率よく解答するための練習に過ぎません。
一方で、小さい頃から多くの本を読んできた子どもは、問題演習を重ねなくても自然と高い読解力を身につけています。
それは、読書を通して「文章に何が書かれているのか」を理解しようとする習慣が身についているからです。
物語を読むときも、「誰が登場し、何が起こったのか」「登場人物はどんな気持ちだったのか」と考えながら読んでいます。
この積み重ねがあるからこそ、特別な問題演習をしなくても国語力が育つのです。
もちろん、「問題演習に意味がない」というわけではありません。
大切なのは、どのような意識で文章を読むかです。
「正しい選択肢はどれか」「答えは何番か」だけを考えるのではなく、
「本文には何が書かれているのか」「筆者は何を伝えたいのか」を考えながら読む。
この姿勢こそが、真の学力につながります。
つまり、「読み解く力」こそが読解力の土台なのです。
この考え方は、国語に限りません。
どの教科でも「早く答えを出そう」という意識が強すぎると、学力は伸びにくくなります。
試験勉強でも本番の試験でも同じです。
「問題文に何が書かれているのか」「何を問われているのか」を丁寧に読み解くことが、結果として得点にも結びつきます。
実際、いぶき学院には、毎朝登校前に短文要約を続けている小学生がいます。
3か月ほど継続したところ、明らかに国語力が向上してきました。
問題を解くのではなく、文章を読み解く習慣が身についてきたからです。
算数が得意な子は「問題をたくさん解いた子」でしょうか?
以前、私が担当していた小学5年生に、算数の成績が安定しない生徒がいました。
できるときとできないときの差が大きく、特に文章題になると途端に不安定になります。
「どうしてこの式になったの?」と尋ねると、返ってきた答えは「適当です」。
まじめで素直な子でしたが、「答えを出すこと」ばかりに意識が向き、
問題文を十分に読まないまま、書かれている数字を組み合わせて式を作っていたのです。
授業では「なぜその式になるのか」を説明させるようにしましたが、なかなか改善が見られませんでした。
そこで思い切って、小学3年生レベルの問題からやり直すことにしました。
文章がやさしくなることで内容が理解しやすくなり、
「適当に式を作る」癖をやめ、問題文を読み取り、考えて式を立てる練習を重ねていきました。
さらに、一問ごとに「なぜそう考えたのか」を言葉で説明させながら進めました。
すると、次第にその子は「考える算数」ができるようになり、
最終的には中学受験に合格、入学後は上位の成績を取るまでに成長しました。
この経験から強く感じたのは、
算数ができるようになるために大切なのは「問題量」ではなく、
問題文を正しく読み取り、考えながら解く力を育てることだということです。
問題に書かれていること、つまり「分かっている条件」を整理し、
そこから「何が導けるのか」を考える習慣が身につけば、
解く問題の数が増えるほど、学力は確実に伸びていきます。
逆に、「とにかく答えを出すこと」だけを目的にしていては、
いくら問題を解いても算数・数学の力は身につきません。
学力は、答えの先にある「考える過程」の中で育つのです。
親が良い点数を取ってきたときに褒めると、学力は伸びるでしょうか?
「答えを出そう」「良い点数を取ろう」という意識が強い子ほど、
「答えさえ合っていればいい」と考えがちです。
その結果、問題文の理解や整理を後回しにし、すぐに答えを出す作業に入ってしまいます。
分からなくても「できればいい」と思うため、
パターンを覚えたり、公式を丸暗記したりして対応しようとします。
算数や数学では、答えが出ればよいと考えるあまり、途中式を書かない子もいます。
その結果、ミスが増えるだけでなく、「考える過程」を大切にしない癖がついてしまいます。
簡単な問題は解けても、少し難しくなると手が止まるのは、このためです。
親が点数という「結果」だけで褒めたり叱ったりすると、
子どもは“自分のため”ではなく、“親のため”に勉強するようになります。
本来大切なのは、「分からないことを分かろうとする努力」のはずです。
悪い点を取ると叱られるから、どんな手段でも正解を取ろうとする。
一時的に成果が出ても、学年が上がるにつれてそのやり方は通用しなくなります。
今、点数が低くても、間違いが多くても、
注目すべきなのは「理解しようとしているか」「前向きに取り組んでいるか」です。
その姿勢を認め、受け止めてあげることが、子どものやる気を育てます。
頑張ったのに結果が出なかったときこそ、
「よく頑張ったね」と声をかけてあげてください。
その一言が、次への意欲につながります。
学校の試験や入試は、人生のすべてではありません。
子どもたちは、この先の長い人生を生きていくために、今「頑張る力」を身につけています。
人生は失敗の連続です。
しかし、その失敗を受け入れ、そこから学ぼうとする力こそが人を成長させます。
その力を身につけた子どもは、一生涯、成長し続けることができるはずです。




